ミシガン頭蓋形状矯正ヘルメット

赤ちゃんの向き癖・寝かせ方により、頭蓋骨に局所的・連続的に圧力がかかり、頭が変形した状態を外圧による頭蓋変形（変形性斜頭およびび変形性短頭症）といいます。赤ちゃんの頭蓋骨は複数の骨が繊維組織で緩やかにつながっているため、骨に可動性があります。また、頭蓋骨自体も１歳頃までは柔らかく、外からの圧力によって変化しやすい状態です。

外圧による赤ちゃんの頭蓋変形は、生後2～20週の柔らかい頭蓋骨に局所的・連続的に圧力がかかることにより起こり、放置すると生後12ヶ月過ぎにはそのまま定着します。頭の非対称性の変形は、まれに脳の先天性異常や片側性の骨癒合症により起こることがありますが、たいていの場合は妊娠後期や出生後の向き癖や寝かせ方に起因します。

ミシガン頭蓋形状矯正ヘルメット（以下ヘルメット）は、外圧による赤ちゃんの頭蓋変形を治療する医療機器として、日本で初めて厚生労働省から承認を得たヘルメットです。ヘルメットは赤ちゃんの頭に合わせたオーダーメイドで、表面はプラスチックで、内側はやわらかいフォームライナーで構成されています。赤ちゃんは、赤ちゃんの頭蓋変形を専門とする医療機関で総合的な検査・診察を受け、ヘルメットを用いた治療が適切かどうか決定されます。ヘルメットを用いた治療は、生後3ヶ月以降の赤ちゃんに適しています。ヘルメットは、3Dスキャナを使用して、赤ちゃん一人一人の頭の形に合わせて作られます。ヘルメットは、生後3～18ヶ月で、外圧による頭蓋変形が中等症以上の赤ちゃんに使用することができます。管理医療機器承認番号：23000BZX00094000

治療期間は平均5ヶ月で、昼夜を問わず着用します。ヘルメットは、頭の形と対称性を改善するために、頭の突出した部分を支え、成長の足りない部分は成長できるスペースを確保し成長を待ち受けます。そのため、毎日の観察が大切です。ヘルメットは赤ちゃんの成長に対応するため、必要に応じて
医療機関がサイズ調整を行います。ヘルメットのサイズ調整可能な範囲を超えて赤ちゃんが成長し、2個目のヘルメットが必要となる場合があります。2個目のヘルメットが必要になるかどうかは、治療を始めるタイミングが関係しています。斜頸を併発している場合、他の治療法を併用することがあります。毎日の着用方法、ヘルメットの取り扱い、お手入れについては、医師が情報を提供します。